年末年始の休業日のご案内 - 2023.12.28
わかりやすい プロジェクトファイナンスによる資金調達
インフラ投資を実現する
複雑に絡み合う関係者それぞれの立場を考えながら、ひとつずつ丁寧に、
語りかけるように書かれた入門の書。
従来は海外のインフラや資源事業への投資に利用されてきたプロジェクトファイナンスですが、近年は、国内の再生エネルギーや卸電力事業、公共施設などの日本版PFI、空港ターミナルなどのコンセッション事業などにおいても、プロジェクトファイナンスが利用されるようになっています。
本書は、長銀や国際協力銀行で数多くの海外プロジェクトファイナンス案件を手がけ、現在は電力会社で「借りる側」として資金調達をする立場となった著者によって書かれたものです。
プロジェクトファイナンスは他の資金調達手法と比べてどのような特徴を有するのか、銀行に相談に行く前に必要な準備は何か、銀行との交渉はどのように進めるべきなのか、交渉のポイントは何かについて、平易な言葉で解説しています。
本書では主に海外のプロジェクトファイナンスを念頭に置いていますが、基本的には国内のプロジェクトファイナンスでも内容は共通です。海外投資案件に携わる人はもちろんのこと、国内でプロジェクトファイナンスによる資金調達を実現しようとする人にも参考にしていただけます。
【おすすめポイント】
■セキュリティーパッケージの交渉について、コマーシャルリスク、ポリティカルリスク、フォースマジュールリスクといった各リスクについて、貸手(レンダー)側はどう考え、それに借手(スポンサーやSPC)側はどう対処すべきなのかを、立場ごとに説明。他ではなかなか読めない、必見のコンテンツです。
■日本語、英語、英語略称のそれぞれから探せる索引つき。
■専門用語や、一般用語でもプロジェクトファイナンスの現場では特有の使い方がされるものについて、解説を付した用語集が付録になっています。
【著者プロフィール】
堀切 聡(ほりきり そう)
中国電力株式会社 国際事業部門 部長
1986年京都大学経済学部卒業
株式会社日本長期信用銀行にて国内営業、海外プロジェクトファイナンス等を担当後、
1998年から日本輸出入銀行(現 株式会社国際協力銀行)にて、審査、営業、リスク管理等を担当し、
2016年から中国電力株式会社国際事業部門にて海外電力投資を担当
1 プロジェクトファイナンスの定義
2 プロジェクトファイナンスを採用するメリット
3 プロジェクトファイナンスのデメリット
4 プロジェクトファイナンスの適用可能な案件
コラム 銀行でのプロジェクトファイナンスの相談
第2章 プロジェクトファイナンスのためのプロジェクト組成
1 プロジェクトのリスクとは
2 プロジェクトの関連当事者と契約
3 スポンサー(出資者)
4 株主間契約
5 EPC契約
6 EPCコントラクターの選定
7 オペレーター契約とオペレーター
8 オフテイク契約とオフテイカー
9 原燃料供給契約と供給者
10 現地国政府等
11 保険会社と保険契約
12 その他の関連当事者の選定する上での留意事項
13 スポンサーによる事業性評価
コラム IPPオフテイカーの三重苦
第3章 プロジェクトファイナンスの検討
1 Financial Advisor の選定
2 Financial Advisor との協議
3 公的金融機関等との目線合わせ
4 幹事銀行・ロールバンクの選定
コラム 案件への参入タイミング
第4章 レンダーとの交渉
1 キックオフミーティング
2 レンダーによるデューデリジェンス
3 レンダーキャッシュフローの策定
4 セキュリティーパッケージの交渉
5 キャッシュフローの交渉
6 タームシートの作成
7 ドキュメンテーション
8 調印
コラム 契約入札時の検討事項
第5章 建設管理・完工後管理・完済
1 貸出先行要件の充足
2 レンダーへの報告事項
3 完工認定
4 融資契約違反時の対応
5 リストラクチャリング
6 リファイナンス
7 完済
コラム プロジェクトファイナンスの完済
用語集
索 引